人工透析外科

診療内容

慢性腎臓病患者さんに最善の治療をご提供します。

慢性腎臓病(CKD)患者さんの腎障害の進行を抑えること、適切な時期に腎代替療法 (透析、腎移植) の説明を行い、納得した治療法を選択していただくこと、計画的に透析導入を行うこと、さらに、安心・安全な透析が続けられように最善を尽くしています。

CKD外来

CKDは、病気が進行して末期腎不全となり透析が必要になるばかりか、脳卒中や心筋梗塞など心血管疾患のリスクを高め、生命の危険やQOLの低下につながります。
当院へは2~6か月に1回受診していただき、生活指導や栄養指導、貧血治療やリン吸着薬など薬剤の調整を行います。また、経過をみながら患者さんとご家族に、腎代替療法(透析、腎移植)の説明を行い意思の確認を行います。無症状のうちに進行してしまうCKD患者さんのお役に立てるように頑張りたいと思います。

  • CKD外来への受診の目安
  • eGFR30mL/分/1.73m2未満
    あるいは
    血清クレアチニン値2.0mg/dL以上

血液透析(HD)

HDを行うためには、バスキュラーアクセス(シャント)の作製が必要です。自己血管による動脈-静脈吻合が基本ですが、シャント作製に適した静脈がない場合も多く、人工血管(グラフト)によるシャント作製を行う症例も増えています。
シャントトラブルとして頻度の多い狭窄と血栓性閉塞の治療は、経皮経管的血管形成術(PTA)を行いますが、短期間に狭窄や閉塞を繰り返す症例ではシャントの再建術を検討します。
シャントの自己管理は大切で、毎日、見て・聞いて・触って、異常を早期に発見できるように指導しています。一度作ったシャントが長く使えるように維持管理を行っています。

腹膜透析(PD)

PDは、ゆるやかな治療で急激な体調の変化がないため、心血管疾患のある患者さんや自立した高齢の患者さんにも適した治療法です。また、患者さんの生活リズムで行える在宅治療ですので、メリットを生かせる患者さんには、PDファーストでの透析導入を積極的に勧めています。また、透析導入後も多職種で患者さんをサポートし、かかりつけの先生とPD連携を行っています。

PD+HD併用療法(ハイブリッド療法)

PDとHD,それぞれの治療法の長所を生かし短所を補う目的で、また、PDからHDへの移行期に行っています。

診療実績

  透析アクセス手術 シャントPTA
PD関連 シャント関連 合計
2018年度 15 66 81 134
2019年度 12 53 65 173
2020年度 16 81 97 250
2021年度 16 73 89 272
2022年度 15 59 74 297

医師紹介

越智 誠

副院長・人工透析外科主任部長

越智 誠

おち まこと

透析アクセス手術、一般外科

医学博士、日本透析医学会専門医・指導医、日本腹膜透析医学会認定医、腎代替療法専門指導医、日本透析医学会VA血管内治療認定医、日本外科学会認定医・専門医、日本消化器外科学会認定医、緩和ケア研修会修了
1986年卒

透析専門医の立場から、CKD病診連携を行い、少しでも病気の進行を抑え、透析導入が回避できるように取り組んでいます。しかし、末期腎不全になられた場合には、納得した治療法を選択していただき、計画的な透析導入を心がけています。シャントの管理、腹膜透析の普及・啓発に力を入れています。

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